町家再生~漆喰と焼杉と虫籠窓と~

通りに面して佇む、趣ある民家。
数年前までタバコ屋を営んでいた築100数十年の町家を、鳴戸建築が再生しました。

白漆喰と焼杉の、質感ゆたかな外観。
2階の漆喰で塗り込められた白い格子窓は、もともとあった窓を『虫籠窓』(むしこまど)にデザインし直したもの。
通風や採光のために設ける町家特有の意匠のひとつで、虫かごに似ていることから『虫籠窓』(むしこまど)と呼ばれています。

減築で暮らしやすく

ご高齢のお母さまがひとりで住まわれるということで、今後の維持管理のことも考え、思い切った減築を。母屋の部分だけを残し、水まわりのあった離れはすべて解体しました。
残った母屋に、水まわりもすべて集約。母屋は座敷をひと間だけそのまま残し、全面改修。

ダイニングキッチン、和室の居間と寝室。
これまでの生活スタイルを大きく変えることなく。そして、これまでと比べて格段に暮らしやすくなったのではないでしょうか。

象徴の曲がり梁

立派な曲がり梁も、きれいに塗装を施しました。

100年以上の時を生き抜いた家の象徴として、堂々たる姿を見せています。

玄関ホールには、腰板や格子の框戸で和の要素をふんだんに盛り込みました。
二段框と手すりで、安全にもしっかり配慮。

通りの一角で存在感を放つ町家

離れを解体した跡地には、屋外収納や作業場として使える土間空間を。勝手口から直接家の中と外を出入りできるようになっています。

高浜の町の一角で、新しく生まれ変わった町家。これからあと何十年、この高浜の地で存在感を放ち続けてくれるのでしょうか。

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